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北の我が家

2013 北海道滞在中の些事片々

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  • 09/25/06:02

第31位の灯台


私が灯台めぐりに血道を上げたのは2006年からの5年間だ。
その5年間で全国の主要な灯台360余基を尋ね、
結果として日本列島の海岸線を完全に一周した。
北海道では、陸路でたどり着けない雄冬岬、知床岬、矢越岬を残して、
北海道の海岸線を一周したのは2007年だ。 
訪問灯台は50余基。 2週間かかった。

襟裳岬灯台から苫小牧灯台まで、日高の海岸線に並ぶ灯台も当然訪れた。
その中に、静内灯台があった。
きちんと整備された真歌公園の片隅に、太平洋を睨んで佇む灯台は、
灯塔の真ん中に太い赤帯をまいて印象的だったが、
それほど目を奪う灯台ではなかった。
ただ一つ、塔屋の入口のステンレスの扉が新品で、ピッカピカに輝いていた。
普段、写真に写ることが好きでない私が、扉に向かって自画像を写したほどだ。
カメラを構えるから顔は隠れるし、左右は逆に写るが‥‥。

全国360余基の灯台を訪れたら、印象的な、好きな灯台はいくつもある。
北海道だけでも、
能取岬灯台、襟裳岬灯台、地球岬灯台、納沙布岬灯台、
北見神威岬灯台、落石岬灯台、利尻の石崎灯台もいい。
そんなわけだから、
全国的規模で見れば、好きな灯台の30基はすぐに指折り数えることができる。
それでも、
私は、静内灯台を、31番目に好きな灯台としてリストアップする。
大した意味を持たない「灯台50選」 などという人気投票で選ばれた灯台に伍して、
私が静内灯台を31番目に推すということは大変なことなのだ (笑)
それは、静内灯台の扉の輝きが強烈な印象だったことと、
それが誘因となったからか、静内の街がとてもいい街として心に残ったからだ。



静内に滞在することになって、真っ先に静内灯台を訪れた。
九州からの友人も案内した。
しかし、
6年の歳月は、ピッカピカに輝いていた扉を曇らせ、
6年間の風雪は扉に小さな傷をこしらえていた。
GPSが普及した今、沿岸灯台は海上保安庁のお荷物で、
維持管理に金をかけたくない、人手も割きたくないというご時世だから、
静内灯台の扉一枚がどうなっても構わない、と言ってしまえばそれまでだ。

だったら、
私が磨いてやろうじゃないか、と、
今日は洗剤とスポンジとタオルを持参した。 とはいっても、
車中泊を続けるわが愛車には、洗剤とスポンジとタオルは常備品なのだが‥‥。
水は、ライディングヒルズ静内の駐車場のトイレで調達した。
畳1枚の大きさの扉を磨くなんぞは他愛もないことだ。
数分で、6年前のピッカピカを取り戻した。
6年間で相当に老いが進んだ私の、しょぼくれた姿が鮮明に映る。
これでいい。



海保が聞けば泣いて喜ぶような話だろうが (笑)
これは社会奉仕でもなんでもない。
私の中にある静内灯台を、静内灯台の扉を、
私の中にあるがままに戻したかっただけのことだ。
海保が灯台に登らせてくれたら、
最上部の灯室の扉も窓ガラスも磨いてやったのだが‥‥。



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