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網走・蒸気船
今でこそ、静内の居酒屋の 「赤ひげ」、新冠のラーメン屋 「寶龍」 と、
馴染みの店ができたけど、
これまでの私には、北海道で名前と場所を覚えている店は、
函館朝市のうに丼の 「むらかみ」 と、
網走の居酒屋 「蒸気船」 しかなかった。
その 「蒸気船」 に昨夜、再訪した。
「一年ぶりに、津軽海峡を超え、三日かけて来た」 と告げると、ご主人は喜んで、
焼酎をお代わりをするたびにグラスに注がれる量が増えていく。
こういう店が好きなんだ。
一年間、店の名前と場所を覚えていた甲斐があろうというもんだ。
注文したイカソーメンも、宗八カレイの焼き物も、
サービスで出てきた 「まずい一品」 のアラ炊きも上手かった。
札幌から来たという旅行者と並んで、話が弾んだ。
痛飲した。
もう一軒ハシゴして、そこでは二人の飲み客と仲良くなった。
サービスで富良野メロンが出てきたのは覚えているが、
何を食べて飲んだか記憶にない。
朝起きたら、一人では食べきれないほどの大きなだし巻きが車内にある。
酔った勢いで 「持って帰って家内に食べさせる」 とでも言ったのか。
それと、途中のミスドで買ったドーナツが2個。
これも記憶にない。
網走は、ちょうど夏祭で、
南4条通りでは夜店が2列、歩道に向けて店を開いている。
店の数はゆうに100はあろうか。
これほどの夜店が並んでいるのを見たことがない。
昔懐かしい夜店が、未だ存在していたのだ。
朝起きたら、もう朝陽が昇っていた。
能取岬灯台で拝むつもりの朝陽を道の駅・流氷街道・網走で見た。
二日酔いを覚ますためにまた寝た。
起きたら、祭礼の御神輿が行進していた。
世間は祭りだ。
昨夜の私も、前夜祭だったのか。
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能取岬灯台よりも蒸気船
朝6時に車内温度は17℃だった。
我が家のカーヴ (ワイン庫) の設定温度は18℃だから、それより低い。
昨年までの夏の話だが、
カーヴに入ると、他の部屋との温度差で半袖では我慢が出来なかった。
今夏は日高で23℃、根室釧路で19℃という低温に慣れているから、
半袖でも我慢できなくはない。 慣れとは恐ろしいもんだ。
我慢大会ではないからジャンバーはこの数日羽織ったままだが。
標津は霧、北上して羅臼では山頂だけに霧がかかっていたのに
時間の経過とともに霧が海面まで下りてきた。
この分では、知床峠からの展望は望めそうにないが、
道の駅で一日待っても霧が晴れる保証はないから、知床峠に。
峠の展望台に立った。
正面に国後島が見える (はずだ)。
この霧の中を登ってきた。
この霧の中を下っていく。
羅臼岳は昨年見たから、見えなくたっていい。 ついでに、
盆の観光客でごった返している宇登呂の道の駅はトイレだけでパス。
オシンコシンの滝は、駐車スペースが空いていたので仕方なく立ち寄ったが、
どうも人混みは苦手だ。
斜里の道の駅で観光案内を見たら、小清水に温泉があるという。
原生花園がある浜小清水から7㎞入ったところだ。
小清水温泉ふれあいセンター。 400円。 源泉かけ流し。
フツーなら500円が相場の設備だけど、
冷却を要するほどの高温だから、加熱しないだけ安いのか。 良心的だ。
昼食もとらずに網走へ。 そのまま足を延ばせば、
360余基の灯台めぐりをした中で、一番好きな能取岬灯台はわずか12㎞先だが、
網走の街ではすることが他にある。
まず、スポーツトレーニングフィールドを確認すること。
今や、ここはラグビー部の夏合宿のメッカだ。
トップリーグはほとんどがここで夏合宿をする。
コカコーラウエストも、ここで合宿をし、もう終えている。
わが母校も昨日まで合宿をしていた。
来年はスケジュールを合わせてくることにしよう。
網走で、もう一つすること。
それは、昨年訪れた居酒屋の 「蒸気船」 に行くこと。
キャッチフレーズは 「まずくてたかい!」 だが、
道の駅でもらったリーフレットを持参すると 「まずい一品」 がサービスされる。
これだから呑兵衛はいけない。
「能取岬灯台よりも蒸気船」 なのだ。
そのために、昼過ぎに入浴を済ませている用意周到さ。
いま4時。 5時の開店に合わせて、そろそろ、行くぜい!
大事なことを忘れていた。
道東の海霧は知床峠までを霧に包んでいたが、
峠を宇登呂に降りてオホーツク海を望むと手のひらを返したような晴天。
そして気温はぐんぐん上昇。 網走では31℃を超えた。
しかし、オホーツクを渡ってくる風は冷たい。
車載の扇風機を回すほどでもない。
この風が、飲んで火照った顔に当たれば気持ちがいいだろう。
明朝は能取岬灯台で日の出を見ることにしよう。
神様仏様コンビニ様
昨日は根室から厚床に向かい、浜中町、別海町をうろうろとした。
広大な根釧台地に牧場の緑が続き、日高が競走馬なら、ここは乳牛だ。
牛も馬もいないときの牧場には蝦夷鹿がいる。
見はるかす大草原、と行きたいところだが一面の霧。
霧に巻かれて五里霧中。 遠景は真っ白。
道東に来てから毎日がこうだ。 朝の19℃は昼になっても変わらない。
浜中町に 「酪農展望台」 があるから行ってみた。
120段余の階段を上って四方を写真に撮ったが、
視界1㎞程度では、展望もへったくれもあったものじゃない。
霧の酪農地帯に留まるのをを諦めて野付半島に向かった。
ヤウシュベツ川という小さい川を渡った。
流域は湿原を成していて、道東でよく見かける典型的な河川の風景だ。
遠方は風連湖。
野付半島は長さ28㎞にも及ぶ、日本最大の砂嘴だ。
先端の野付埼灯台を7年ぶりにまた見たことになるが、
この半島は砂嘴の巨大さに尽きる。
おまけとして、トドワラやナラワラの荒涼とした風景がある。
トドマツやナラが立ち枯れて、風化したものだ。
トドワラを見るには、どうやら湿地を歩かなければならないようで、
7年前に落石岬の湿地で痛い目に遭っているから行くのをよした。
建ち枯れたナラワラ。
北海道も東端まで来て気づいたのだが、
全天が雲に覆われているせいもあるが夕方が早い。
尾岱沼の道の駅に引き返して車中泊を考えたが、
どうも、バックするのは嫌な性分だから北の標津へ。
街に入るとビジネスホテルがあって、公衆浴場も経営している。
420円で入浴したら、ヌルッとする本当の温泉だ。
最近、村興しで、冷泉を沸かして温泉と称するものは数多いが、
正真正銘の温泉に浸かれたのは幸せだった。
涼しくて、ときには寒くて汗もかかないが、
三日に2回は入浴しなければならないだろう。
標津にはオートキャンプ場もあって、車中泊車は一週間で200円らしい。
一泊200円でもただみたいなものだから、食糧を買いにコンビニへ。
標津のセブンイレブンは広大な敷地を持っていて、
駐車場だけでマンションの3軒はゆうに建つほどの広さだ。
一応、店のOKをもらって、一晩、車を停めることにした。
200円をケチったわけではない。 この方が便利だ、と思ったからだ。
コンビニの駐車場で車中泊するのは初めてだが、
こんな便利なところはない。 飲みながら食べて、ちょいと店に行けば、
アツアツのグラタンでもパスタでも、何でも手に入る。
わが愛車にソーラーパネルでも取り付けて、
補助バッテリーを増設し、電子レンジを使えるようにしようか、
などと本気で考えていたのがバカみたいだ。
コンビニで車中泊することを知ったら、神様仏様道の駅様ではなくなる。
コンビニの数は道の駅よりも圧倒的に多いから、
今晩どこで止まろうか、などと考えなくて済む。
便利な時代になった。 神様仏様コンビニ様、だ。
朝起きたら、一晩のうちに蜘蛛が巣を張っていた。
最東端
トムラウシ温泉での一泊二食、釧路での東横インと岸壁炉ばたと、
車中泊旅行者の私らしくない旅行が続いていたが、
トムラウシでも釧路でも満足した夜だったし、阿寒湖畔では、
この夏の北海道滞在を記念するフクロウの木彫りも買った。
昨日からは、私の基本的な旅行スタイルに立ち返った。
釧路を去る前に、
もう一度釧路湿原を眺めて見たかったから、細岡展望台へ。
道路地図にある、岩保木山経由の細い道路はとんでもない山道だった。
対向車が来ればアウトだが、
苦闘と不安の30分間、対向車がなくて救われた。
もっとも、こんな道は灯台めぐりで、大河の源流を目指す水紀行で、
四国八十八か所の山寺への道でイヤと言うほど経験している。
それに比べれば、しっかりした山道だ。
反対側から登れば展望台までは舗装された道だった、と知ったが、
苦労した分だけ、展望台に立つ気分はいいものがある。
釧路湿原はカヌーのメッカらしい。
カヌーを屋根に積んだ車や、専用の運搬車と何度もすれ違った。
交通量が極端に少ない道で、だ。 カヌー乗り場にも立ち寄った。
厚岸の 「バケツ牡蠣」 で最近名をはせている道の駅に立ち寄った。
九州のワイン仲間がご執心の場所だ。
静内からは遠くて、今夏、二人を案内できなかったのが残念だったが、
私なりの結論から言えば、
何も遠い厚岸まで行かなくても、手前の釧路の岸壁炉ばたで充分だ。
商品構成は同じ、システムもほぼ同じ。 価格も大差あるまい。
問題は、屋台の雰囲気が好きか嫌いか。
私は岸壁炉ばたで、いい。 「バケツ牡蠣」 は無いが‥‥。
11時開店の1時間前に着いた私だったが、
開店を待って食べようともしなかった。
前の晩たらふく食べて、翌朝、同じ物は要らない。
霧の幣舞橋を見ることはできなかったが、
釧路湿原は霧雨、厚岸も霧雨、
だったら、その名も霧多布岬は当然、霧雨。
霧多布岬の最先端、湯沸岬灯台を訪れるのは7年ぶりだ。
この岬は好い。
太平洋に突き出て、灯台への道の左右は断崖で海だ。
道の両側から潮騒が聞こえる、こういう立地の灯台は存外少ないのだ。
しかし、深い霧に包まれて、はっきりとは見えない。
続いて、昨年も訪れて3度目の納沙布岬灯台。
7年前には、この灯台の傍らで朝を迎えた。
東経145度48分、北緯43度23分。
北方領土を除けば、日本の最東端だ。 日本で一番早く朝を迎える。
その年のその日、私は 「日本で一番早く朝を迎えた男」 になった。
それを二度繰り返すことはなかろう。 根室に引き返した。
花咲線の終着駅は根室駅だが、最東端の駅は東根室駅だ。
最北端の稚内駅、最南端の西大山駅と比べれば、
最東端の東根室駅はマイナーな感じがする。
北には北極、南には南極という極みがあるのに対して、
西と東には終わりがないから、か。
因みに、最西端の駅は、たびら平戸口駅 (松浦鉄道) で、
JRでは佐世保駅だ。
花咲漁港にも寄ってみた。
イカ釣り船があちこちに停泊していて、大きな港だ。
一隻だけ、すべての明かりをともしているイカ釣り船が停泊していた。
根室駅の線路が途切れる風景。
終着駅には、何か、もの悲しさが漂うが、 なに、サブちゃんも唄ってる。
♪ 終着駅はァ~ 始発駅ィ~
私の人生でも、終着駅が見え始めた。
逆立ちしても、始発駅にはなりっこないが‥‥。
車中泊は根室市内の ときわ台公園で。
トイレは扉を開ければ明かりが点くし、なんたって車の騒音がない。
道の駅以外での車中泊は珍しいが、スーパーに近いのもいい。
昨夜の食事はほとんど半額で買い揃えた。
涼しい。 寒いくらいだ。 朝8時で、昨日も今日も19度だ。
昨日、根釧国道を走るときには、暖房を入れて、
ポロシャツの上にジャンパーを羽織って運転した。
今日の予定は特にない。
最東端にいるから、さしあたって西に向かうしかないが‥‥。
不苦労 福郎
いつの頃からか、フクロウの飾り (置物) を蒐集しはじめた。
今やその数20個になんなんとしている。
もう飾るスペースもないから、買うのはよそう、
というのが家内との合意事項だ。
もう買わないつもりでいたが、
新千歳空港の土産物店で、翼を広げたフクロウの置物を見た。
今までに集めていないスタイルなので、途端に欲しくなった。
が、家内との合意事項がある。
欲しいものはすぐ手に入れたがる性分だから、我慢するのは辛い。
昨日、阿寒湖畔を訪れた際、アイヌコタンにほど近い土産物店街で、
木彫り細工ばかりを扱っている店を覗いた。
木彫り細工の店で足を止めること自体がそもそも間違いだ。
中を覗き込んだら、もうダメだ。
通りに面した場所では、2~3千円で買える小物ばかりが並んでいて、
私の購入意欲を刺激することはなかったが、
店の奥さんが、私を奥に招き入れた。
流石に見ごたえのあるものが並んでいる。
店の奥まで入ると、置かれているフクロウも翼を広げている。
これはヤバイ。
その中に、値札が付いていないのがあったから、
そのフクロウの前で奥さんと話を続けた。
値札が付いてなければ売らないだろう、と。 甘かった。 相手は商売人だ。
店の奥のそのまた奥にいるご主人に奥さんが聞いている。
「このフクロウ、いくらなら売れる?」
「2万円だけど、1万5千円でいいよ」 とご主人。 大雑把だ。
途端に、1万5千円が話のベースになってしまった。
値切った。
1万4千円になった。 送料込みだ、と言う。
持って帰るから送らなくていい、と言うと、
小さいフクロウの置物を持ってきた。
上下に分かれ、中が印鑑立てになっているのをサービスすると言う。
それで1万4千円だ。
翼を広げたフクロウが欲しい、という気持ちが根底にあるから、
話をまとめよう、とする心理状態に追い込まれた私になっている。
「1万3千円なら、買う」 と私。
「それでいい」 とご主人。 北見のハッカ飴を一袋、おまけにくれた。
ありあわせの段ボール箱に詰められたフクロウを車に積んで、
帰る私をご夫婦が店頭に並んで見送ってくれたから、
私は 「いい客」 だったのだろう。
北見のハッカ飴は家内の好物だから、
もう買わない、と言う合意事項を破っても、家内は許してくれるだろう。
エンジュの木を彫ったフクロウだ。
エンジュの樹を切断すると、年輪の中は黒いが周りは白い。
その白い部分が翼の前面とくちばしに残っている。
いい恰好をしている。
今年の北海道滞在の格好の記念品になる。
それにしても、この数日、出費がかさんでいる。
今日からは、質素倹約を旨として旅を続けよう。